プレイズタッチとマインドフルネス

プレイズタッチで愛犬と過ごすマインドフルな時間

一般社団法人アニマルライフパートナーズ協会代表 山田りこ


 プレイズタッチとは触覚を通して愛犬、愛猫との一瞬一瞬の時間に意識を向け、マインドフルになることで、タッチをしている私たち、そしてされている愛犬、愛猫の心身を整え、生活の質を向上する方法です。
 プレイズタッチでは動物と心を通いあわせることを大切にしています。タッチをしてあげるという一方的なことではなく、触覚を通してその子との「かけがえのない時間」を意識をするということ、愛するパートナーの柔らかく温かい被毛に触れることで、確かにその子と一緒に存在する「今、ここ」を感じマインドフルになることができます。
 プレイズタッチを学ぶ時に何度もでてくる「マインドフル」という言葉。このマインドフルネスが最近になってテレビ、雑誌などでよく紹介されるようになりました。「 今の瞬間に意識を向ける」こと「呼吸に意識を向ける」ことでストレスを軽減し心身に様々な良い影響を与えるという方法です。


プレイズタッチとマインドフルネスの関連性

■「私たち、人の心の状態を整える」

私たちと暮らす犬、猫、他の動物たちの心の状態を健康に保つには、なによりもまず一緒に暮らす私たち人の心の状態が平穏で安定していることが大切です。繊細で鋭い感覚、能力を持つ動物たちは私たちの内面の状態を鋭く察知をします。頼りになる群れのリーダーであるべき人間が不安定であると、動物は不安に感じストレスを受けてしまいます。プレイズタッチで愛犬、愛猫とマインドフルになることで、私たちの心身が整います。ひいてはパートナーである動物たちの心の状態を幸福にし、身体の健康に役立つのです。

■「今の時間に意識を向ける」

① 私たち人間は今この一瞬一瞬に心を傾けることがなかなかできず、過去のことを回想したり、今ではなく次に行なうこと、明日や未来のことを考えていることが多い生きものと言えるでしょう。先日、テレビで紹介されていましたが、このような状態のことを「マインドワンダリング」といい、人は平均して1日の内の47%をマインドワンダリングに費やしているそうです。問題なのはそのような状態だと常に脳にストレスがかかっている状態とされ、心身の健康に悪影響を与えてしまうことです。触れる、触覚は五感の中で唯一、他者との今この瞬間に意識を向けることのできる感覚です。愛犬、愛猫の温かさ、毛の柔らかさを手の平で感じながら呼吸に意識を向けることで、マインドワンダリングを止めて、この一瞬にフォーカスすることができます。
② 犬、猫の寿命は私たちのそれより短く、愛犬、愛猫と過ごせる時間には限りがあります。私たち人間は1日の中、起きてから寝るまで、いろいろと忙しく行動し、またいろいろと考え、ストップすることがありません。私たちのパートナーはそんな私たちが頭で考えることの努力を一切やめ、一瞬の時間だけでも心を空っぽにし、一緒に穏やかな時間を過ごすことを待っています。時間はいつのまにか過ぎていくようなものです。気がつかないと、いつのまにか愛犬、愛猫は歳を取ってしまいます。プレイズタッチでマインドフルに心を空っぽにし、一緒に穏やかな時間を過ごすことで、こころとこころが通い合います。限りのあるかけがえのない大切な時間、しかし一瞬一瞬に繋がりあうことができれば、それは永遠に続くものになります。

■「呼吸に意識を向ける」

①「現代人は息はしているけれど、呼吸はしていない」と言われます。呼吸に意識を向け今を意識することをマインドフルネスでも実践します。プレイズタッチでも、呼吸に意識を向けることで、一瞬一瞬に心を傾け、愛犬、愛猫と心の通い合った穏やかな時間を過ごすことができます。
② 動物は自然に深い呼吸をしている人を好みます。浅い呼吸や息が詰まった状態はストレスを表します。そのような状態は自律神経の交感神経が優位な状態を表します。交感神経とは「闘争と逃走の神経」と呼ばれ、リラックス状態の副交感神経とは正反対の状態です。人の呼吸により動物は、自分のおかれている環境が安心できるのか、そうではないのかを感じ取ります。プレイズタッチにより呼吸に意識を向けることにより、双方に良い影響を与え、信頼関係を築くことができるでしょう。


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